お盆は1日、子どもたち、孫たちが集まってくれました。

51WliAPPRoL孫たちを眺めながら、これからの時代を生き抜いていくことの難しさを考えていた時、「スマホを捨てたい子どもたち」という本に出会いました。


「京大総長、ゴリラ研究者の著者による「未知の時代」の人とのつながり方。講演会で、多くの高校生がスマホを手にしながら「スマホを捨てたい」と言った。彼らはなぜ、スマホで人とつながることに漠然とした不安を感じているのか。約200万年前の人類の歴史とゴリラ研究の見地から、これからの「未知の時代」を生きる、生物としての人間らしさを考える。先が見えない時代、自然やテクノロジーと共生していくために。ー 本の紹介記事より」

ゴリラの生態を山中で観察し、霊長類の行動と人間との類似点や相違点を示していただけるのがとても面白く、人間の人間たる由縁について納得するところが大きかったです。

人間と他の動物とを分ける違いは「言葉を話す」「家族を作る」「食べ物分配ができ、長い子育てを家族・社会で育むことができる」ということで、この力によって社会を作り、文化を生み出してきたということなのですね。

そして、2足歩行によって両手が空いたことが何と踊りができる身体になり、音楽が人間の共感力をうんと高めた、とおっしゃっています。

人間は生き物として進化し、共同保育や共食、音楽といった人間にしかないコミュニケーションによって共感力を増し、それによって他者を思いやることによって発達してきました。

しかし、AIやスマホを使うことによって、だんだん人との直接的なコミュニケーションを取らなくなり、人間に備わっている力を減退させてしまっている、というのです。

なるほど、便利だからと何の疑いもなくぞっこん依存しないようにしないとね、と考えて、後書きを読むと、ちょうど書き上げられたらコロナ禍になってしまった、ということで、その後書きがまた説得力がありました。

コロナはまさに、人間が人間らしく共感力を高めていくために必要な食事や音楽や会話の場を尽く奪ってしまいます。

だからこそ、スマホやAIを上手に取り入れて使っていかねばならない、ということでした。

そうなんです。音楽とコミュニケーションが人間にとってとっても大事ということを再認識したいものです。